休眠顧客・離脱防止のためのCRM施策|EC-CUBEでできること

「気づいたら、あの頃よく買ってくれていたお客様から注文が来ていない」。多くのECサイトで起きているのに、意外と気づかれにくいのがこの状況です。新規の獲得ばかりに目を向けていると、既存の優良なお客様が静かに離れていくサインを見逃してしまいます。
この記事では、休眠顧客・離脱防止のためのCRM施策を、気づき方から具体的なアプローチまで順に整理します。
休眠顧客とは
休眠顧客とは、購入経験はあるものの、最終購入から一定期間、購入のない会員のことです。目安としては90日前後を使うことが多いでしょう。一度も購入していない「未購入会員」とは違い、過去に一度は関係ができているため、もう一度声をかける余地が大きい層です。
何日で休眠とみなすかは、商材の購入サイクルに合わせて決めましょう。消耗品や食品のように購入間隔が短い商材なら60〜90日、家具や家電のように間隔が長い商材なら180日以上を目安にするなど、自店の実態に合わせて設定します。
「休眠」と「離脱危険」は分けて考える
RFM分析で紹介した「離脱危険顧客」は、休眠顧客と似ていますが、見ているところが違います。
- 休眠顧客 — 最終購入からの経過日数だけで判定します(購入実績の大小は問いません)
- 離脱危険顧客 — 過去の購入頻度・金額が高かったのに、最近購入していないお客様です。休眠に至る一歩手前にあたります
両方が対象になっている場合は、まだ関係が切れきっていない「離脱危険」から先に対応するほうが、再購入につながりやすい傾向があります。
離脱のサインに早く気づく
休眠顧客の対策でいちばん大事なのは、実は「気づくタイミング」です。次の3つを定期的に見ておくと、変化に早く気づけます。
- 休眠率の推移:前の期と比べて悪くなっていないか。増えていれば要注意のサインです
- 休眠期間別の会員数:「休眠30〜60日」の層が厚いなら、まだ戻ってきてもらえる可能性が高い段階です
- 離脱危険顧客の人数:ここが増えているなら、近いうちに休眠顧客が増える予兆と考えましょう
段階ごとに、オファーの強さを変える
| 段階 | 状態 | 施策の方向性 |
|---|---|---|
| 離脱危険 | まだ関係が冷めきっていない | 好みに合わせたメールや、興味のありそうな商品の案内。押し売り感の少ないアプローチ |
| 休眠(初期) | 休眠に入って間もない | 新商品・再入荷の案内や、軽めのクーポンでのリマインド |
| 休眠(長期) | 長く購入がない | 大きめの割引や特別オファー。あるいは配信停止の意向を確認する |
すべての休眠顧客に同じ施策を打つ必要はありません。段階に応じてオファーの強さを変えると、コストを抑えながら効果を高められます。長期休眠の層については、無理に引き戻さないという判断も選択肢に入れてよいでしょう。
施策の効果を測る
再アプローチの施策は、実行して終わりにせず、「対象にしたお客様が実際に再購入したか」まで確認しましょう。ここまで追ってはじめて、次の改善につながります。
難しく考える必要はありません。施策を実行した日を記録しておき、その後の一定期間で対象者の何%が再購入したかを数えるだけでも、十分な判断材料になります。
そもそも休眠させないという視点
再アプローチと同じくらい大切なのが、「なぜ離れたのか」を考えることです。配信の頻度が多すぎて疲れさせてしまった、欲しい商品が案内できていなかった、購入体験に不満があった。理由はさまざまでしょう。
休眠顧客が増えているときは、個別の対応だけでなく、こうした根本の原因も見直してみてください。
EC-CUBEで休眠顧客対策を進めるには
休眠顧客の対策で難しいのは、「今、誰が離脱危険で、誰が休眠なのか」を把握し続けることです。1回調べるだけなら手作業でもできますが、毎週・毎月となると負担が大きくなります。
この判定と集計を自動化する方法としては、SQLで仕組みを自作する、外部のCRMツールと連携する、EC-CUBE向けのプラグインを使う、の3つがあります。管理画面の中で完結させたい場合は、プラグインが候補の一つです。
CRM分析プラグイン「CrmAnalytics」を使う
CrmAnalyticsは、株式会社LEATECHが提供するEC-CUBE向けのプラグインです。この記事で挙げた3つのサイン(休眠率の推移、休眠期間別の会員数、離脱危険顧客の人数)を、ダッシュボードでまとめて確認できます。
ダッシュボードの「今週の推奨施策」からは、離脱危険・休眠それぞれの対象者をCSVで取得できます。出力後の再購入人数も追えるため、「どの施策が効いたか」の確認にも使えます。
利用を始めるには、管理画面の初期セットアップでスケジュール実行(CRON)を登録し、初回の集計を実行します。休眠とみなす日数は商材によって変わるため、マニュアルの今週の推奨施策で判定の条件を確認したうえで、自店に合うか判断してください。対応バージョンや他の機能はリリース記事にまとめています。
まずは離脱危険の人数を、毎週見ることから
休眠顧客の対策は、大がかりな施策から始める必要はありません。気づくのが早いほど、打てる手は軽くてすみます。
まずは離脱危険顧客の人数を毎週確認するところから始めてみましょう。増えてきたら、その週のうちに声をかける。この繰り返しが、休眠を防ぐいちばん確実な方法です。初回購入者を2回目へつなげる「F2転換」については「リピート率・F2転換の高め方」で、CRM分析全体の進め方は「EC-CUBEでCRM分析を始める方法」でまとめています。
EC-CUBEの導入やカスタマイズ、CRM分析の始め方については、お気軽にお問い合わせください。