コホート分析で「獲得の質」を評価する|EC-CUBEのCRM分析

「今月は新規のお客様が増えた」と喜んでいても、その方たちが1か月後、3か月後にも買い続けてくれるかどうかは別の話です。獲得した人数だけでなく、獲得したお客様の質まで見ないと、集客施策やキャンペーンの本当の効果は判断できません。
そこで役立つのがコホート分析です。この記事では、コホート分析の考え方と、獲得の質を評価するときの具体的な見方を解説します。
コホート分析とは
コホート分析とは、会員登録した月ごとにグループ(コホート)を作り、グループごとに月次の購入率やLTVを比べる方法です。「いつ獲得したお客様が、長く買い続けてくれているか」が分かります。
全会員をまとめて見るリピート率とは、ここが違います。「1月に登録した人たち」と「6月に登録した人たち」を別々に追いかけることで、時期によるお客様の質の違いが見えてきます。
月次購入率という考え方
コホート分析の基本となる指標が月次購入率です。
月次購入率 = その月に1円以上購入があった会員数 ÷ コホート会員数
登録した月を「経過0か月」とし、1か月目、2か月目…と経過月数ごとに購入率を追っていきます。経過月数が進むほど購入率は下がっていくのが普通ですが、注目したいのはその下がり方の緩やかさです。ゆるやかに下がるコホートほど、お客様との関係が強いと考えられます。
2つの見方を使い分ける
| 見方 | 向いている使い方 |
|---|---|
| 月次購入率ヒートマップ | 登録月(縦軸)×経過月数(横軸)で、登録月ごとの違いを個別に比べる |
| 月次購入率の推移グラフ | すべての登録月を平均し、経過月数ごとの全体的な傾向をつかむ |
「特定の時期だけ良い/悪い」を見たいときはヒートマップ、「全体としてどこで離脱しやすいか」を見たいときは推移グラフ、と考えると選びやすいでしょう。
コホート分析で分かること
- 特定の登録月だけ購入率が低い — その時期の会員登録直後の案内やフォローに、改善の余地があります
- 1か月目以降で急に購入率が下がる — 初回購入後のフォローが弱い、つまりF2転換に課題があります
- 登録月ごとの差が大きい — その時期に実施したキャンペーンや、獲得チャネルとの関連を確認しましょう
キャンペーンで集めたお客様の「質」を確かめる
コホート分析がとくに力を発揮するのは、キャンペーンで獲得したお客様が、本当に良いお客様だったかを確かめる場面です。購入率だけでなくコホート別のLTV推移(登録月ごとの累計購入金額の推移)も重ねて見ると、次のような判断ができます。
- 大型セールで一時的に会員数は増えたが、その後のLTVが他の月より伸びていない → 値引き目当ての一時的なお客様が多かった可能性があります
- 特定の広告チャネルから獲得した時期のコホートが、他より高いLTVで推移している → そのチャネルへの投資を増やす根拠になります
「何人集めたか」だけでなく「集めた人がその後どれだけ使ってくれたか」まで見ると、集客施策の評価が一段階深くなります。
コホート分析ならではの注意点
- 直近の登録月はデータが足りません:登録してまだ1か月のコホートには、3か月目・6か月目のデータがそもそも存在しません(未到達の月は「-」表示になります)
- 会員数の少ないコホートは振れやすくなります:登録者が少ない月は、数人の行動で購入率が大きく動きます。傾向として見るには、一定の会員数が必要です
- 短期間での判断は避けましょう:数か月分のコホートを並べて、はじめて時期による違いが見えてきます
EC-CUBEでコホート分析を行うには
コホート分析は、紹介した分析手法のなかでも、手作業との相性がとくに悪いものです。登録月ごとに会員をグループ分けし、経過月数ごとの購入率やLTVを毎月集計し直す必要があるためです。月が進むたびに表が広がっていくので、Excelでの管理はすぐに限界が来るでしょう。
集計を自動化する方法としては、SQLで仕組みを自作する、外部のCRMツールと連携する、EC-CUBE向けのプラグインを使う、の3つがあります。管理画面の中で完結させたい場合は、プラグインが候補の一つです。
CRM分析プラグイン「CrmAnalytics」を使う
CrmAnalyticsは、株式会社LEATECHが提供するEC-CUBE向けのプラグインです。コホート分析の画面では、月次購入率のヒートマップと推移グラフ、コホート別のLTV推移を確認できます。
この記事で紹介した2つの見方は、どちらも画面を切り替えるだけで確認できます。登録月ごとの会員数や各月の指標はCSVでも取得できるため、広告の出稿データなどと突き合わせる使い方もできます。
利用を始めるには、管理画面の初期セットアップでスケジュール実行(CRON)を登録し、初回の集計を実行します。集計の定義はマニュアルのコホート分析とはに、対応バージョンや他の機能はリリース記事にまとめています。自店で見たい粒度と合うかを確認したうえで、導入を判断してください。
まずは直近6か月のコホートを並べてみよう
コホート分析は、数字が出揃うまでに時間のかかる分析です。その分、一度仕組みを作ってしまえば、キャンペーンの良し悪しを後からきちんと振り返れるようになります。
まずは直近6か月分のコホートを並べて、1か月目の購入率を比べてみましょう。そこに差があれば、その月に何をしていたかを思い出すところから始められます。他の分析手法との組み合わせ方は「EC-CUBEでCRM分析を始める方法」でまとめています。
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