RFM分析でVIP顧客と離脱危険顧客を見分ける|EC-CUBEのCRM分析入門

「今、どのお客様に声をかけるべきか」。これを感覚ではなく、はっきりした基準で判断できているでしょうか。会員数が増えるほど、優良なお客様・休眠しているお客様・離れかけているお客様を、一人ひとり見ていくのは難しくなります。

そんなときに役立つのがRFM分析です。この記事では、RFM分析の考え方と、VIP顧客・離脱危険顧客の見分け方を解説します。

RFM分析とは

RFM分析とは、「いつ買ったか」「何回買ったか」「いくら使ったか」の3つでお客様を評価し、VIPや休眠顧客などのタイプに分ける方法です。売上金額の大小だけでは見えてこない、お客様ごとの買い方の違いをつかめます。

R・F・Mの3つの指標

指標意味スコアが高いお客様
R(Recency)
最新性
最終購入日からの経過日数最近購入している
F(Frequency)
頻度
累計の購入回数何度も購入している
M(Monetary)
金額
累計の購入金額たくさん購入している

それぞれ1(低い)〜5(高い)の5段階でスコアをつけます。多くの場合、このスコアは全会員の中での相対的な順位(五分位)で決まります。そのため「頻度スコア4」が何回の購入を指すかは、ショップによって変わります。自店のお客様の中での相対評価だと覚えておくと、数字を読み違えずにすむでしょう。

スコアから5つのタイプに分ける

3つのスコアを組み合わせると、お客様を次のようなタイプに分けられます。分け方の一例として見てください。

タイプ目安となる条件特徴
VIPR・F・M すべて高スコア最近・頻繁に・高額で購入している、最も大切なお客様
優良顧客Rが高く、F・Mも一定以上安定して購入を続けているお客様
離脱危険顧客Rが低いが、F・Mのいずれかは高い以前はよく購入していたのに、最近購入していないお客様
休眠顧客最終購入から一定日数(例:90日)以上が経過購入経験はあるが、長く離れているお客様
通常顧客上記のいずれにも当てはまらないとくに偏りのない、標準的なお客様

先に手を打ちたいのは「離脱危険顧客」

5つのタイプの中で、とくに注目したいのが離脱危険顧客です。過去には頻度・金額の実績があるのに、最近は購入していない。つまり「本来は良いお客様だったのに、離れかけている」層にあたります。

休眠顧客と混同しやすいので、違いも押さえておきましょう。休眠は最終購入からの経過日数だけで判定しますが、離脱危険は過去の購入頻度・金額も加えて判定します。まだ関係が切れきっていない分、声をかければ戻ってきてもらえる可能性が高い層です。

タイプ別のアプローチ例

  • VIP — 特別なお礼や限定オファーなど、離れていかないための施策
  • 優良顧客 — 今の関係を保つために、次の購入を後押しするクーポンや新商品の案内
  • 離脱危険顧客 — 早めの再アプローチ。限定クーポンや、好みに合わせたメールなど
  • 休眠顧客 — 再購入のきっかけになるオファー。あわせて、休眠した理由も探る
  • 通常顧客 — 購入頻度・金額を上げる育成施策。クロスセルや会員特典の案内など

すべてのタイプに一度に取り組む必要はありません。人数と改善の余地を見比べて、まずは1つのタイプから始めてみましょう。

RFM分析を使うときの注意点

  • スコアは相対評価です:全会員の中での順位で決まるため、ショップ全体の傾向が変われば、同じスコアでも意味が変わります
  • 集計期間は目的で使い分けます:短期(30日)は直近の動きを、長期(365日)は季節性のある商材の傾向をつかみやすくなります
  • 休眠とみなす日数は、商材に合わせて調整します:購入サイクルが長い商材(家具・家電など)と短い商材(食品・消耗品など)では、目安が違います

EC-CUBEでRFM分析を行うには

RFM分析は、考え方そのものはシンプルです。ただし実際に運用するとなると、会員ごとに購入回数・購入金額・最終購入日を集計し、スコアをつけて分類する作業が毎回発生します。会員数が増えるほど、手作業で続けるのは難しくなるでしょう。

この集計を自動化する方法としては、SQLで仕組みを自作する、外部のCRMツールと連携する、EC-CUBE向けのプラグインを使う、の3つがあります。手軽に始めたい場合は、プラグインが候補の一つです。

CRM分析プラグイン「CrmAnalytics」を使う

CrmAnalyticsは、株式会社LEATECHが提供するEC-CUBE向けのプラグインです。会員・受注データを自動で集計し、RFMの分類を管理画面上で行えます。

VIP・優良・離脱危険・休眠それぞれの構成比と対象会員をダッシュボードで確認でき、タイプ別に会員をCSVで出力できます。離脱危険顧客だけをすぐにメルマガの配信リストへ渡す、といった使い方も可能です。

利用を始めるには、管理画面の初期セットアップでスケジュール実行(CRON)を登録し、初回の集計を実行します。セグメントの判定条件はマニュアルのセグメントの考え方に、対応バージョンや他の機能はリリース記事にまとめています。自店の商材に合う判定になるかを確認したうえで、導入を判断してください。

まずは離脱危険顧客から声をかけてみよう

RFM分析の価値は、分類そのものではなく「次に誰へ声をかけるか」を決められることにあります。

5つのタイプのうち、最初の一手としておすすめなのは離脱危険顧客です。過去の実績があり、まだ完全に離れてはいないため、少しのきっかけで戻ってきてもらえる可能性があります。CRM分析全体の進め方は「EC-CUBEでCRM分析を始める方法」でまとめています。

EC-CUBEの導入やカスタマイズ、CRM分析の始め方については、お気軽にお問い合わせください。