EC-CUBEでCRM分析を始める方法|必要な指標とプラグイン活用

「EC-CUBE CRM」と検索する方の多くは、EC-CUBEでお客様との関係管理(CRM)をどう実現すればいいかを知りたいのではないでしょうか。
先に結論をお伝えすると、EC-CUBEには標準でCRMの機能はありません。ただし、EC-CUBEが持っている会員・受注データを使えば、CRM分析とそれに基づく施策は十分に実現できます。
この記事では、EC-CUBEでCRM分析を始めるための考え方と方法を整理します。個別の分析手法や施策については、それぞれ詳しく解説した記事への案内もまとめました。
EC-CUBEでCRMを実現する3つの方法
EC-CUBEでCRMに取り組む方法は、大きく3つに整理できます。費用、必要なスキル、続けやすさを比べて、自店に合うものを選びましょう。
| 方法 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 自作で集計する | SQLやExcelで、会員・受注データをその都度集計します。費用は抑えられますが、担当者のスキルに依存するため続けにくくなりがちです | データ量が少なく、まず試してみたい場合 |
| 外部のCRM/SFAと連携する | Salesforceなど本格的なCRMツールと連携します。機能は豊富ですが、導入・運用のコストは大きくなります | 営業活動や複数チャネルを含めた、本格的な顧客管理が必要な場合 |
| EC-CUBE向けのプラグインを使う | 会員・受注データに絞り、EC-CUBEの管理画面の中で導入・運用できます。できることはECの顧客分析の範囲に限られます | まずECの顧客分析から始めたい、大掛かりなシステムは必要ない場合 |
多くのEC事業者にとって現実的なのは、自作の手間と外部CRMの重さの中間にあるプラグインでしょう。ただし、営業部門を含めた顧客管理まで行いたい場合は、外部CRMのほうが向いています。何をしたいかを先に決めてから選んでください。
ここから先では、どの方法を選ぶ場合でも共通して必要になる「何を分析し、どう施策につなげるか」を順に見ていきます。
1. CRM分析の基本を押さえる
最初に押さえたいのは、新規/リピーター比率・リピート率・休眠率・顧客単価・LTVという5つの指標です。そして、データを集める→グループに分ける→施策に落とす、という基本の流れになります。
詳しくは「CRM分析の基本と始め方」で解説しています。
2. RFM分析でお客様をタイプ分けする
「最近買ったか」「よく買うか」「たくさん買うか」の3つでお客様を評価し、VIP・優良・離脱危険・休眠などに分けるのがRFM分析です。とくに、過去の実績があるのに最近購入していない「離脱危険顧客」への早めの対応が効果的です。
詳しくは「RFM分析でVIP顧客と離脱危険顧客を見分ける」で解説しています。
3. LTVでお客様一人の価値を見る
LTV(顧客生涯価値)は、お客様一人が累計でどれだけ購入してくれたかを示す指標です。広告のCPA上限を決めたり、優良顧客への投資を判断したりするときの土台になります。
詳しくは「LTV(顧客生涯価値)の考え方と改善アクション」で解説しています。
4. 休眠顧客・離脱防止に取り組む
新規の獲得ばかりに力を入れていると、既存の優良なお客様が静かに離れていくサインを見逃しがちです。休眠顧客と離脱危険顧客を分けて考え、段階に応じたアプローチをしましょう。
詳しくは「休眠顧客・離脱防止のためのCRM施策」で解説しています。
5. コホート分析で「獲得の質」を評価する
会員登録した月ごとにグループを作り、月次購入率やLTVを比べるのがコホート分析です。獲得した人数だけでなく、その後どれだけ買い続けてくれたかを見ることで、キャンペーンや獲得チャネルの本当の効果が分かります。
詳しくは「コホート分析で「獲得の質」を評価する」で解説しています。
6. リピート率・F2転換を高める
初回購入から2回目購入(F2転換)は、最も高い壁といわれます。ここを改善することが、その後のリピーター化やLTV向上につながりやすいポイントです。
詳しくは「リピート率・F2転換(初回→2回目購入)の高め方」で解説しています。
7. 分析を運用に定着させる
ここまでの分析手法は、単発で行っても効果が限られます。毎日・毎週・毎月それぞれで見る指標と行動を決めておくと、CRM分析を「続く運用」にできます。
詳しくは「CRM分析を運用に定着させるチェックリスト」で解説しています。
これらを一つの管理画面でまとめて行うには
ここまで紹介した会員分析・RFM分析・LTV分析・コホート分析・日々のチェックは、それぞれを個別に手作業で行うと大きな負担になります。分析の種類が増えるほど、集計そのものに時間を取られてしまうためです。
前半の比較表で挙げた3つの方法のうち、EC-CUBEの管理画面の中で完結させたい場合は、プラグインが候補になります。
CRM分析プラグイン「CrmAnalytics」
CrmAnalyticsは、株式会社LEATECHが提供するEC-CUBE向けのプラグインです。EC-CUBEの会員・受注データを自動で集計し、ここまで紹介した分析を管理画面のダッシュボードにまとめています。
各分析画面から対象の会員をCSVで出力できるため、メルマガやLINEなど、今使っている配信手段にそのまま渡せます。AI分析とSlack通知(いずれも任意)を使えば、日々の確認の手間も抑えられます。会員数の多いショップでも画面が重くならないよう、データはあらかじめ集計しておく方式を採用しています。
利用を始めるには、プラグインをインストール・有効化したあと、管理画面の初期セットアップでスケジュール実行(CRON)を登録し、初回の集計を実行します。AI分析を使う場合は、別途OpenAIのAPIキーが必要です(利用料はOpenAI社への直接のお支払いになります)。対応バージョンや動作環境、各機能の詳細は公式マニュアルとリリース記事に掲載しています。自店の環境と運用に合うかを確認したうえで、導入を判断してください。
方法を選んだら、指標を1つ決めて始めよう
EC-CUBEに標準のCRM機能はありませんが、会員・受注データはすでに手元にあります。あとは、集計の方法を決めるだけです。
自作・外部CRM・プラグインのどれを選ぶ場合も、始め方は同じです。まず追いかける指標を1つ決め、同じ条件で記録を続ける。そこから少しずつ分析の幅を広げていきましょう。最初の一歩には「CRM分析の基本と始め方」がおすすめです。
EC-CUBEの導入やカスタマイズ、CRM分析の始め方については、お気軽にお問い合わせください。